ドイツ語の前置詞を覚えればドイツ語がグッと良くなる

さてあなたがどれほどドイツ語を勉強されたかは
わかりませんが、ついに前置詞にたどり着きましたね。

今までは「~は~です」などの単純なことしか表現できませんでした。
しかし、前置詞を覚えればあなたのドイツ語がグッと表現豊かになります。
前置詞は 「~にもかかわらず」、「~から」、「(時間的に)~から」、「~の中から」、「~へ」 などまだまだあります。

私のお気に入りは「~にもかかわらず trotz」です。
覚えれば、ドイツ語で冗談が言えるようになります。おすすめです。

はじめに前置詞の格支配を説明しておきましょう。
ちょっぴり面倒ですが、後は楽になりますよ。

前置詞の格支配とは


さて、格支配支配と聞くとなんだか難しそうですが
簡単に言ってしますと 「前置詞の後にくる主格が、どんな前置詞を使うかで格変化を決定されてしまう」 ということです。 例えば「mit ~と一緒に」という前置詞があります。
これは3格支配の前置詞です。
ということはこの後に主格が来た場合、その主格は3格になってしまう、という文法ルールです。
私と一緒に、と言いたい時は…

mit mir

…となります。mirはichの3格。
前置詞mitの後ろに来た主格のichは3格のmirに変化したというわけです。
これを格支配と言います。
「前置詞が主格を支配してしまっている」ので格支配と覚えておきましょう。

3格支配の前置詞をご紹介


さてお待たせいたしました。 いよいよ前置詞をご紹介します。

aus ~の中からbei ~のもとで、の際にmit ~とともに、でもって
nach ~へ、のあとでseit (時間的に)~からvon ~から、の
zu ~へ

使用例を紹介します。
上の表がどこで使われているか意識しながらみていきましょう。

Ich komme aus Japan.
私は日本から来ました。

Gestern war sie bei ihren Eltern.
昨日、彼女は彼女の両親のところにいました。

bei Regen
雨の際には

mit mir
私といっしょに

Er fuhr mit dem Auto nach Hause.
彼は車でうちに帰った。

Ich gehe nach Japan.
私は日本に行きます。

Nach 10 Minuten warten,
10分後、

seit April
4月から

von Berlin
ベルリンから

Freundin von mir
私の友達

zu mir
私のところへ

「nach」は「~へ、のあとで」という意味で 後には地名が続きます。「Berlin」は地名で定冠詞や冠詞がない無冠詞の名詞です。
似ているものに「zu」があります。
「zu」は「zu+3格」で「場所・建物へ」や「人のところ」を表す時に使います。
ただし「in」も「in+4格」で「場所・建物へ」の意味になります。
zu Omaでおばあちゃんのところへとなります。 さらに「mit」ですが、これは「~と一緒に、~を使って(手段・道具)」となります。

上で出てきたものはとにかくこれから特によく見かけると思います。
慣れれば読み飛ばしても無意識に頭で理解できるまでになれます。 それまでは根気強く意味を追いかけましょう。

4格支配の前置詞をご紹介


bis ~までdurch ~を通って、通してfür ~のために
gegen ~に対して、逆らってohne ~なしにum ~のまわりに
bis sie kommt
彼女が来るまで

Wir sind durch den Park gegangen
私たちは公園を通り抜けた。

für Elise
エリーゼのために

gegen meine Absicht
私の思惑に反して

Ohne dieses Wörterbuch komme ich nicht zu recht.
私はこの辞書なしではできない。

um den Park
公園のまわりに

次は4格支配の前置詞です。
ohneは「~なしに」という意味です。 ohne limit で限界なしにという意味になります。 fuerは「~のために」という意味になります。
この2つはとても重要な意味となるので注意しましょう。

3・4格支配の前置詞


さて、3・4格という名前を見て困惑したことだと思います。
これは3格にも4格にも変わるという前置詞です。
「場所」を指す場合は3格。
「方向」を指す場合は4格となります。

Ich wohne in der Stadt.
「町の中に住んでいる」

これは町の中という場所を表しているので3格となります。

Ich gehe in die Stadt.
「町の中に行く」

町の中の方へという方向を示しているので4格となっています。

「方向」ではでわかりずらかった方は「動き」に注目してみてください。 動きに関する動詞の上の例文の 「Ich wohne in der Stadt.」、町の中に住んでいるでは町の中という場所で ずっと常に住んでいるため、「動き」はありません。 場所を示しているだけです。
「Ich gehe in die Stadt.」ではgeheは行くという動詞で動きに関わるので この場合は3格が正解ということです。

さて、他の3・4格支配の前置詞にも目を通していきましょう。

an ~のきわにauf ~の上にhinter ~の後ろに
in ~の中にneben ~の横にüber ~の上方に
unter ~の下にvor ~の前にzwischen ~の間に

まずは、aufを例にとって3・4格を振り分けてみましょう。 aufは「何かの上に」とう言う意味の前置詞です。

Der brief liegt auf dem Tisch.
手紙はテーブルの上に置いてある

上の例文ではテーブルの上に手紙が「すでに置いてある」状態を意味します。
そのためここでは場所を表すため4格です。

Ich lege den Brief auf den Tisch.
私は手紙をテーブルの上に置く

上の例文ではテーブルの上へ今からまさに「置く」という動きがあります。 これは動きの方向を表すため3格となります。

次に前置詞 in を見ます。 in は英語と似ています。 意味は「何かの中」(場所)「何かの中へ」(方向を表している)となります。 ここでも場所か方向かに注目して勉強を進めましょう。 例文を見てみましょう。

Mutter ist in der Kueche.
母さんは台所にいる。

上の文はわかりやすいですね。母が台所にいるという場所を表しているので 3格となります。3格なのでderですね。

Mutter geht in die Kueche.
母さんは台所へ入っていく

こちらもわかりやすい例文ですね。台所へ、と方向を表しているので 4格となりdie Kuecheとなります。

2格支配の前置詞


wegen~のために、~なので

wegenは「~のために、~ゆえに」と理由や原因を表します。 2格支配の前置詞となり。 2格自体の前置詞が少ないため、使われる頻度も少なめです。

Wegen des schelecten Wetter bleibe ich zu Hause.
天気が悪いので、私は家にとどまる

ワンポイントアドバイス


どうだったでしょうか? これで前置詞をざっとですが理解したことになります。
もちろん前置詞に慣れるには時間がかかります。
はじめはドイツ語の文章の中でちらほら見かけて 「どこかで見たな」と思うと思いますが
ここでアドバイスですが「2回見かけたらその意味を調べてみる」をおすすめします。
そうすれば自然と前置詞だけじゃなくて、様々なドイツ語を 身に付けることができます。それも自然で無意識に
ぜひ頭にとどめておいて下さい。

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